愛媛県への質問書ー移動手段

2.避難について

⑴ 八幡浜市は自家用車による避難を優先しています。愛媛県下のバスの総数が足りないとは聞いていますが、どのように調達する予定ですか。バス会社との協定など締結されているならその内容を教えてください。

 

⑵ 指示されての避難者や当然出てくるであろう自主避難者の車で道路が渋滞して避難が困難になるのではないでしょうか。どのような見通しを立てていらっしゃるのか教えてください。

 

県の回答:

(1)  八幡浜市を含むUPZ圏内の防護措置については、放射性物質放出前の施設敷地緊急事態に至った場合に屋内退避の準備を行い、全面緊急事態に至った場合には、屋内退避を実施することとしております。さらに、放射性物質の放出に至った場合には、緊急時モニタリングにより、空間放射線量率が毎時20マイクロ シーベルトを超える区域を1日程度内に特定して、その地区の住民は1週間程度内に一時移転を実施することとしております。

 一時移転にあたっては、自家用車のほか、県内バス会社の協力を得て必要な輸送能力を確保することとしており、愛媛県バス協会とは、災害時の人員等の輸送 に関する応援協定を締結し、これまでも原子力防災訓練に参加いただき、連携体制の強化を図ってきたところであり、この協定の下で協力いただけることとなっております。
 また、不測の事態により輸送手段が不足する場合には、他県との応援協定に基づき、隣接県等から輸送手段を確保するとともに、国の実動組織に支援要請することとしております。

コメント:フクシマ級以上の大規模汚染事故にならなければOIL1がめったやたらには発動しないだろうというほど基準値が高く設定されているので、一斉避難になりバス総数が足りなくなる事態は起こらないもの、という判断をしているようにみえる回答でした。つまり、当然ある程度の被ばくを前提としていることになりますが、8.の質問へは全否定の回答をしている(被ばく前提の避難ではない)のとは矛盾しています。汚染バスを廃棄する事になれば、補償は四電から受けられるのでしょうか?税金から賄われることになるのでしょうか。

 

(2) 26年2月に県広域避難計画の修正に反映した避難シミュレーションでは、30km圏内住民の4割が自主避難するとの前提条件で、避難ルートの指定や警察 官の誘導、段階的な避難などの対策を講ずることにより、約6時間で30km圏外へ避難できるとの結果が出ており、県では、市町や防災関係機関とも連携しな がら、これらの避難時間を短縮するための取組みを進めるとともに、広域避難計画に係る講習会などを開催して避難対策の周知啓発を図っています。

コメント:30km圏は安全を保証する距離ではありません。3.の、スクリーニングで時間を取られるため、そこで発生した渋滞がずっと数珠つなぎとなる結果、後続車の場合は30km圏外に出るのが遅れる事態も想定すべきと考えます。これは避難シミュレーションでは無視されている要因のはずで、スクリーニングと除染時間を含めた上で最終目的地までの総経過時間をシミュレーションでは算出して示すべきです。

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八幡浜市への質問書−避難の移動手段

2.避難の移動手段について

福島の事故のときは、3月11日15時27分に津波の第1波が観測されてから23分後の15時50分に1号機の炉心損傷が始まっています。その後モニタリングポストは機能を失い、原子炉水位もわからない、発電所前の道路が崩れる、など、国や県市、住民にとって予想外の緊急事態が積み重なっていきました。

つまり、原発の過酷事故とは、きわめて短時間のうちに破滅的事態が起きるような事故です。

また、東日本大震災時の避難に関する福島民報の記事によれば、

平成23年3月の福島第一原発事故発生後、県内は避難の渋滞など混乱が続いた。
 23年3月12日、政府の避難指示が第一原発から10キロ圏に拡大された際には、浪江町中心部から町津島支所までの114号国道で渋滞が発生するなどした。浪江町によると、当時は町民約8000人が一斉に車で西側の津島支所を目指した。しかし、道路は渋滞し、通常であれば30分程度の道のりに約3時間を要したという。津島地区の学校や集会所などの公共施設はどこも満車状態で、入れない車が路上にあふれた。津島支所は阿武隈山系の標高500メートル前後の場所に位置しており、まだ寒さが残る中、公共施設に入れなかった町民は路上に止めた車内で眠れぬ夜を過ごした。
 浪江の主要道路は地震と津波の影響を受け、車の通行が困難な場所が多かった。6号国道は町の北側の南相馬市小高区で冠水。海沿いを通る県道広野小高線(浜街道)は津波で壊滅状態だった。山沿いの県道いわき浪江線(山麓線)も陥没や亀裂が発生していた。一方、西に通じる114号国道には大きな損傷はなかった。ある町職員は「もし、114号国道が通行不能になっていたら町民の避難路はなくなっていた」と当時の危機的な状況を振り返った。(下線:筆者)

とあります。

道路がすべて通行可能かどうかもわかりません。大地震の後は、震度4とか5の余震が何度も起きますから、最初の大地震の時には無事であった道路、トンネルがそのあともずっと通れるかどうかもわかりません。

 八幡浜市は、「自力で避難可能な住民は自家用車等での避難を優先する」としていますが、福島でも普段は30分程度の道のりが事故後は3時間かかったとあります。

① バス等の大量輸送の方が優先されるべきではありませんか。

② バスの手配はできているのでしょうか。どこの会社のバス等を、何台手配し、何人移送するのですか。

③ バスなどは、どういう手順で、どのバスが、どこに来ることになっているのですか。

④ バス会社との協定など締結されていらっしゃるならばその内容を教えてください。


回答:

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